とっても久しぶりの更新になりました。
エッセイ『刺繍の裏側』vol.09
今日は 6月に取り組んでいた
ブラックワーク刺繍で北斎
について
お話しさせてください。
ブラックワーク刺繍で
北斎にチャレンジしました。
ブラックワーク刺繍で北斎を表現したら どうなるかしら?と
生成りの麻の布に モノトーンで刺繍しました。
同じパターンを繰り返す幾何学模様
布目をカウントしながら
一針一針、手刺繍刺しています
今回
北斎にチャレンジしようと決めたので、
せっかくなら
和の文様を刺してみようと思って
色々、和の文様を調べていたら、
『新形小紋帳』なるものがあり、
何と、
葛飾北斎が作った本!!
これは すごい!
これでやってみてろ!と
北斎からの挑戦状を受け取ったような衝撃
minneさんから 募集の案内が来てから
期限まで約1ヶ月
果たして 出来上がるのか?
でも、やるっきゃない!
できてもできなくても
とにかく チャレンジあるのみ!
世間では
コロナ自粛が解除され、
動き出そうとしてた頃、
私は 相変わらず、
どこにも出かけず、
北斎の絵を見ながら
方眼紙に図案を描いて
持っていた生成りの麻布に
刺し始めました。
どのくらいの大きさになるのか?
出来上がりのイメージが できないままに
とにかくやるしかないと
毎日 ひたすら 刺繍しました。
ある程度の 枠線を刺し、
次は 刺繍で埋めて行く作業
北斎の『新形小紋帳』に描かれている文様を
ブラックワーク刺繍用に
図案を起こして パターンを作り
その文様を刺しました。
北斎が描いた
冨嶽三十六景
晩年の北斎が見た 富士山が見える神奈川沖の海
北斎の世界を
北斎が 考案した 和の文様で刺繍しました。
波しぶきをたてて 荒れ狂う海に
のみ込まれそうになっている船がたくさん
江戸時代
まだ、写真や動画が一般的ではない時代
こんなに鮮やかに
一瞬を切り取った北斎
すごいなあと思います。
動体視力が凄かったんだろうか?と
北斎に想いを馳せながら
1ヶ月かけて 創作しました。
最後の1週間、自分を追い込み
ようやく先週、仕上げて応募したら
力尽きて
今週は 自分に優しくやさしく・・・
ゆるゆるで 過ごしました(*^^*)
もう一度チャレンジするか?と言われたら
絶対やらないと思うけれど。
やり切った達成感
小さな成功体験として
自分に丸を一つ。
がんばりました💮
「minne×The UKIYO-E 2020 ― 日本三大浮世絵コレクション」
コラボ作品
「葛飾北斎」の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
からインスピレーションを得て制作しました。
会期:7月23日(木・祝)~9月13日(日)
会場:東京都美術館(東京・上野公園)
※会期中展示替えあり。最新情報は展覧会公式サイトで確認ください。
出品総数約450点のうち、重要文化財・重要美術品はなんと100点以上!
北斎や写楽、広重など 浮世絵の代表的な作品が並ぶ展示会
浮世絵は
モネやゴッホなど 印象派の画家をはじめ
多くの欧米アーティストたちに大きな影響を与え、
ジャポニスム旋風を巻き起こしたと言われている
日本の誇る芸術です。
その展示のコラボとして
ヨーロッパ発祥のブラックワーク刺繍で
浮世絵の世界、北斎の世界にチャレンジ
モノトーンで 表現したことによって、
原画の 色鮮やかな 海の蒼と白い波しぶきが
一層美しく感じます。
自分と
そして北斎と 深く深く向き合った1ヶ月でした。
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